青井春 -aoi haru- 14歳 ♂ 稲葉エミリ-inaba emiri- 14歳 ♀ ----------------------------------------- ――春。辺り一面が桜色に染まるそんな中、俺はとある学校の校門前に立っていた。 青井「1年遅れの学園生活かあ……緊張するな」 俺の名前は青井春。中学2年生だ。 訳あって1年間休学し、2年生の今日から学園生活が始まる。 青井「――待ってろ! 俺の青春!」 俺はそびえたつ校舎に向けて言う、青春は。まだ始まったばかりなのだ。 ------------------------------------------ 校門をくぐり抜け校舎に入ると、あまりの広さに迷ってしまいそうだった。 上級生らしい生徒たちが、俺のそばを通り過ぎていく。 青井「えーっと……まず職員室で手続きして――ってことはまず職員室探さないと。広すぎて何がどこにあるやら……」 (分岐:→案内板 通りすがりの生徒に聞く) 青井「案内板見ないとわからないな」 (校舎図) 現在位置:1F中央校舎入口 目的地:3F西校舎 青井「……遠っ!」 青井「3階の渡り廊下を通って――とにかく行ってみるか」 階段下まではすぐにたどり着くことができた。 階段の子に、普通の学校には絶対に存在しないはずのものがついていた。 青井「エレベーターがある……すごいなこの学校」 -------------------------------------------------- (たぶん分岐:エレベーター →階段) 青井「――まだ、2階……はぁ。エレベーター使えばよかった……」 3階までの道のりは思ったよりもしんどい。日ごろの運動不足がたたってか、すでに両足が重い。 ようやく3階にたどり着いたころには膝が笑うほどだった。 渡り廊下は階下と違い、全く人気がなかった。しかし、廊下の端に1人の少女が立っている。 髪を二つに縛っていて、かなりの美少女だ。この学園指定の制服を纏っているので、同じ生徒だろう。 少女「ちょっとそこの君!」 青井「――え?」 少女「……はっ!」 突然俺に向けて左手を向ける少女。しばし沈黙……――。 少女「……失敗か」 俺「え?……え?」 困惑する俺をよそに少女は階段のほうへ去ってしまう。